〈十月の詩〉◎ 田村隆一
危機はわたしの属性である
わたしのなめらかな皮膚の下には
はげしい感情の暴風雨があり 十月の
淋しい海岸にうちあげられる
あたらしい屍体がある
十月はわたしの帝国だ
わたしのやさしい手は失われるものを支配する
わたしのちいさな瞳は消えさるものを監視する
わたしのやわらかい耳は死にゆくものの沈黙を聴く
恐怖はわたしの属性である
わたしのゆたかな血液のなかには
あらゆるものを殺戮する時がながれ 十月の
つめたい空にふるえている
あたらしい飢えがある
十月はわたしの帝国だ
わたしの死せる軍隊は雨のふるあらゆる都市を占領する
わたしの死せる哨戒機は行方不明になった心の上空を旋回する
わたしの死せる民衆は死にゆくもののために署名する
〈十月的詩〉◎ 邱振瑞 譯
危機是我的屬性
在我光滑的皮膚下
有激情的暴風雨 在十月
有新的屍體
被沖到孤寂的海岸
十月是我的帝國
我溫柔的手支配失去之物
我細小之眼監視消失之物
我柔軟耳朵聆聽垂死的沉默
恐懼是我的特性
在我充沛的血液裡
流淌著殺戮萬物的時刻 在十月
有新的飢餓
在清冷天空中顫抖
十月是我的帝國
我死亡的軍隊占領雨陣覆蓋的都市
我死亡的巡邏機在失蹤的心靈上空盤旋
我死亡的民眾為了垂死者簽名
(附記:即將進入十月金秋,俄羅斯入侵烏克蘭敗局漸露,普京強行徵兵30萬人投入戰場,讀到田中隆一(1923-1998)這首反戰詩歌,感觸特別深。)
標籤: 新詩
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